この記事はGoogle広告やデジタル広告を全く知らない人に、大体どんなものかを説明します。
『Google広告』は知らない人に対して、説明をするのがとてもややこしい『概念』です。
自分は理解をできていても、他部署の担当や上司など、基礎知識がない人には伝わらないことがあるなぁ
と感じたことがある人も多いのではないでしょうか?
今回は私が過去に実務で利用してきた図解や、例をふまえて、順番に基礎的な情報をカバーしていきます。
- Google広告、デジタル広告を、何も知らない人向けに説明したい
- 上司や他部署の人に、さわりだけ説明したい
- 専門用語を使わずに説明をしてほしい
人に向けた記事なので、すでに知識経験のある方や、具体的な運用のコツなどを今すぐ知りたいという人向けの内容ではありません。
専門用語はあえて別の表現にし、複雑な部分はすべて省いています。
運用広告・デジタル広告とは何か?
Google広告は、運用広告、デジタル広告のカテゴリーに属する広告です。
そのスタートは実は2000年10月。すでに20年以上前から存在している広告ですので、世代によっては、広告といえば『デジタル広告』がまず思い浮かぶ人がいるかもしれませんね。
世の中で見かける広告はほぼGooogle広告
あなたが今、オンライン上で自分の商品やサービスを宣伝したいと考えているなら、日常生活の中で見かける広告はほとんどが『Google』によって管理されていると思っていいでしょう。
情報サイト、ブログサイトなどで、広告を見つけたとき、広告の枠に『Google Ad』(Ad choice, Ad Senceなどもあり)と書いてあるものは、すべてGoogleが管理している枠です。
Googleは、世界最大の広告のオークションハウス(オンラインに存在する広告スペースを売り買いするオンライン上の機能)を、持っています。そして、広告枠を買いたい側と売りたい側を、この機能を使って、一括管理しています。
旧式の広告では、広告を出したい人は、雑誌社や、新聞などに直接、掲載を申し込んでいましたが、Google広告では、広告主が掲載先と直接連絡を取ることはありません。
Google以外でメジャーなデジタル広告には以下のようなものがあります。
広告の申し込み先(お金を払う相手)がGoogleではなく、Yahoo、ラインなどになりますが、基本的な広告のシステムは、とても似ています。
Google広告でわかっておきたい3つの事
Google広告や運用広告が、旧来の準広告と決定的に違うのが以下の3点。
キーワードオークション、クリック課金、トラッキングシステムです。
ですが、その3点がGoogle広告が『難しい』と感じる最大のポイントです。
実際の現場の目線でいうと、近年では、広告設定がほとんど自動化していますし、中~大企業がGoogle広告を出す場合は、専門のデジタル広告代理店が管理・運用を行うことが想定されるため、この記事の読者の方は『広告の原理』を完全に理解する必要はないかもしれません。
ただし『よくわからないから不安』と思っている方はとても多いと思いますので、『大原則』だけ、簡略化して説明します。
1.『キーワード』のオークション
オンライン広告では、場所(広告スペース)ではなく、『キーワード』を買います。
例えば、『東京で出張用のホテル』を探す場合、
『東京、出張、ホテル』と検索しますよね。
広告主は、これらのキーワードに対して、お金を出しているというイメージですね。
Google広告では、このキーワードをオークション形式で競り落とします。
『東京、出張、ホテル』のように、だれでも検索するようなキーワードは、たくさんの購入希望者がいるため、オークションの値段がとても高くなります。
広告スペースを買うよりも、直接的なアプローチなんだね
『キーワードの購入』はGoogle広告の初期から存在する方法ですが、現在、デジタル広告では『キーワード』でターゲットにしているお客さんを設定するだけではなく、客層のグループや、広告を届けたい人数を選んで広告を出す方式が主流です。
キーワードの組み合わせ
キーワードは一つの単語だけでも成立しますが、いくつかの単語を組み合わせることが多いです。
なぜかというと、ひとつの単語だけでは広告したい人が多すぎて、なかなか表示されるチャンスが回ってこないからです。キーワードの単語数を増やし、よりオリジナリティの高い組み合わせにすることで、その広告主にピッタリの検索をしたお客さんに表示されるようになります。
2.クリックでの課金
運用型のデジタル広告は定額を払うのではなく、広告がクリックされたときだけ、料金を支払います。実際、ほとんどクリックされないキーワードが出てくることもあります。
それならクリックさえされなければ、無料で広告が出し続けられるの?
と、思った方もいるかもしれません。しかし、実際の広告管理の現場では、長い作業時間をかけて広告の設定をします。
全くお客さんを連れてこない広告を作り、管理することにお金をかけるのは無駄ですよね。
広告運営の現場では、より結果を出している=クリックされている、またはデータを参照し、総合的に結果を出せそうなキーワードを探り、調整していくことになります。
結果のトラッキング
デジタル広告の最大の利点は、広告を見た人の行動を追跡(トラッキング)できることです。
例えば、新聞にスーパーのチラシが入ったら、翌日お店にくるお客さんが増えたり、テレビで広告を出した商品がよく売れるようになることがあります。
ただし、この場合、正確に何人の人が店に来たのかを計測することはできません。
デジタル広告では、利用者が広告を見て、クリックして、ウェブサイト内で購入を検討し、さらに、購入まで至ったかどうかまでの記録が、ユーザーには見えない『コード』によって、すべて追跡されています。
実際すべてのデータを取り出して参照するかは別にしても、事実上は、いつ、だれが、どこで、何を、どうしたが、すべて計測できます。
また、これらのデータを蓄積することで、後ほど紹介する『より高度な広告』の機能を利用することができます。
グーグル広告の真の魅力
ここまで読んでくるとめんどくさいように感じるかもしれないGoogle広告ですが、マーケティング、広告の担当者なら絶対使いたいと思う『高度な広告』の機能があります。
リマーケティング
Googleで買い物をしようとすると、ちょっと前に検索した商品が、数日後に他のサイトやアプリでも表示されるようになることがありますよね。
あれが、リマーケティングです。
とても昔からある手法なのですが、効果は絶大です。
購入の可能性の近いユーザーへのアプローチ
デジタル広告はGoogleという膨大なデータの海に、ポツンといきなり広告を出すような行為に思えるかもしれませんが、実は真逆です。
リアルにお客さんの顔が見えないだけで、実は高確率でお客さんになってくれる客層にピンポイントで広告することが可能です。
具体的には
- 競合商品・サービスに興味を持った人に広告を出す
- 趣味や興味に関連する広告を出す
- 年齢層、職業、所得層、地域などに関係する広告をだす
事ができます。(※個人を特定できる情報が広告主に共有されるわけではないです)
追記:広告のトラッキング機能は『自然』か?
デジタル広告の『追跡』に関して、広告主にとっては魅力的な機能ですが、ユーザーにとっては、拒否反応のある方もいるかもしれませんね。
ちなみに、私(女性)は30代に入ったときに、You Tubeで妊娠検査薬の広告が毎日のように流れてくるようになりました。
そこで、ためしにGoogleの広告設定を20代の男性に変更したんです。しばらくはオンラインカジノやスポーツの広告がよく表示されていたのですが、一か月以上たつと、自分自身の『趣味嗜好や検索の癖』が、機械学習されたようで、元に戻っていきました。
欧米では、個人の嗜好を全て読み取って、記録し、それによって適切な広告を出していくことを自然では無いという声も多く上がっています。
こういったGoogleの機能を利用したくなければ、自分で機能を止めることもできます。
ただ、私個人の感覚では、Googleとインスタグラムの追跡機能はより繊細で高性能になり、5~6年前ほど気持ちの悪い感じがなくなってきました。
最近は、自分が本当に買いたいものや、使いたいサービスが自然と表示されます。特にInstagramのアルゴリズム(計算方法)が、自分の好みに合っているようで、インスタグラムの広告経由で実際に購入したサービスがいくつもあります。
デジタル広告の世界では『利用者が商品を選ぶ前に、機械が買うべきものを提案する時代』も遠くないといわれますが、まさにそんな時代の到来をかんじてしまいました。
ただ、個人のパソコンを家族や友人とシェアしたり、仕事関連の検索などをすると、早速、自分の好みとはかけ離れた広告が出てくるようになるので注意です。パソコンやデバイスは一人一台、家族であってもシェアをする時代は終わったといえるのかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
次回の記事でも『全く知らない人』に向けて
- グーグル広告で失敗する理由
- グーグル広告・運用広告とかかわる前に知っておきたいこと
を説明します。あわせて、読んでいただけたら嬉しいです。