このブログでは、在英15年の筆者が海外でのビジネスTipsをあれこれ書いています。
今回のテーマはInterview=『面接』です。
これまでに100人以上の面接担当の経験があり、もちろん自分自身もイギリスで多数の面接を受けています。
この記事では、
- 欧州での面接の基本的な心構え、あり方
- イギリス(欧米)のスタンダードな面接とは
- 面接で聞くべき(聞かれる)たった3つの質問
を紹介します。
面接をする側の目線で記事を書いていきますが、面接を受ける方にとっても知っておいて役に立つと思うので、ぜひ最後までご覧ください。
海外では面接で絶対聞いてはいけないこと
ここで上げる例は、要注意、とても重要な例。なぜなら面接を受ける側が、差別や名誉棄損を理由に裁判を起こすこともでき、会社側が賠償する例もあるからです。
ちなみに私は以下の質問を某有名企業(日本の企業)でされたことがあります。
日本でも、最近はセンシティブな扱いになっている質問だと思いますが、ついつい聞いてしまいがちなので、気を付けましょう。
1.結婚していますか?
『結婚しているかどうか』は、その人がポジションにふさわしい人かを判断する材料にはなりませんよね。なので、聞いてはいけません。
ちなみに聞かれた場合ですが、面接後に、審査や面接で不採用になった理由が、既婚、未婚に関係していたかも。。。とおもったら、その会社を訴えることもできます。
ですが、現実的には『そんな質問をするような面接官のいる会社に採用されなくて逆によかった。採用されてたら、後で苦労してた』くらいに考え、腹を立てずに、さらっと流す、大人の対応をしておくことをおすすめします。
2.お子さんはいますか?
1と同様の理由ですが、より“悪意のある印象”に取られてしまうかもしれません。
仕事よりも『子供』は何よりも優先されるべき、というのが欧州の感覚です。
『子供のより仕事が重要です』なんて、面接で言っても、好印象ではありません。むしろ『家族を大切にできない』、『ネグレクト』の疑いをかけられてしまうかも。
というか、単純に『不思議な目』で見られますね。
海外の映画にでてくる典型的な日本のビジネスマンだと思われますね
なお『面接を受ける側』から、自己紹介の一環として、結婚ステータスや、子供の有無などが自然と話題に上がることも、結構よくあります。お互いを知る意味での会話には問題がありませんが、これらの採用判断に利用してはいけません。
圧迫面接
内容によっては面接官『ハラスメント』、『名誉棄損』で訴えられるかもしれません。訴えられなくても、SNSや口コミで会社の評判を落とすかもしれません。
面接官でも丁寧で誠実な態度で会話をするのは、ビジネスマナーとして当然です。
日本と違って、業界内での転職がとても盛んな国です。面接をした相手が、数か月後にクライアントとして目の前に現れるなんてことはざらにあります。
また圧迫をしたからといって、候補者が優秀になるわけではありません。なにもプラスになることもありませんので、やめましょう。
海外では面接で、絶対きかれないこと
候補者を無駄に試すような質問
自分を動物に例えると?
尊敬する人物は????
マンホールの蓋はなぜ丸いのですか?????
欧米人の感覚からすれば『そんなことを聞いて仕事と何の関係があるんですか?』という話です。
こういった質問が日本では実際にされることがあるという話をイギリスですると『信じられない』『冗談でしょ?』という反応が返ってきます。
よくGoogleやマイクロソフトの入社試験で、発想の面白さや頭の回転の良さを問うような質問がされますが、実際、日常でそう言った質問はされません。
きちんとした理由もなく、下手に質問を真似したりすると、むしろ面接官が恥ずかしい思いをするかもしれません。
効果的な面接とは
必要な質問は以下の3つだけ
一次面接で聞かれるのは、ほぼ以下の3つだけです。
- Tell me about yourself 自己紹介をしてください
- Why should we hire you? なぜあなたを雇うべきだとおもいますか?
- Describe a difficult work situation on how you overcame it 仕事で難しいことがあったとき、どのように対処しましたか?
一番重要な質問は2です。 必ず聞かれます。
志望動機=なぜ働きたいか、ではなく、『なぜ“あなた”を雇うべきか』という直接的な質問です。 面接を受ける側は自分の経験を踏まえて『XXXX社のXXXX(役職)で働いた経験があるから』、『XXXXができるから』というように、簡潔に答え、そこから面接官との話を広げていきましょう。
面接官側がその時点で探しているスキルや具体的な仕事内容を話し始めたらチャンスです。そこに自分のこれまでの経験を合わせていきアピールしましょう。
候補者の良いところを引き出すリラックスした面接
海外の面接はとてもリラックスした雰囲気で行われます。右側から椅子に座らなくてはいけない、なんていうルールなど気にする必要はありません。候補者は簡潔に自分がそのポジションでできることを伝えましょう。面接官も候補者から回答を聞き出すことに集中しましょう。
まとめ
いかがでしたか? 世界的には大転職時代と言われる2022年、日本の枠を超えて面接が行われる機会も増えていくでしょう。『日本の常識は、海外の非常識』と言われないようにしっかり準備を整えておきましょう。