『なんとなく』が理由で、イギリスに移住して15年。このブログではシリーズで海外生活の始め方や実体験をシェアしています。
今回の記事では、特にコネやお金もなかった私がどうやって永住権を得たのかを紹介します。
この記事はこんな人におすすめです。
・以下のどれにも当てはまらないけど『海外に住んでみたい』という社会人
- 日本から、仕事関連で派遣予定
- 親の金銭的なサポートがあり、留学予定
- 外国人と結婚する予定
- 十分に稼げているノマドワーカー
・学生・現在将来の生き方を考えている最中で、海外移住にも興味がある
・本を読んだり、留学カウンセラーと話したけど、具体的に何をしたらいいかわからない
1.海外で暮らすために一番大切なものは『ビザ』と知る
具体的な手順に入る前に、とても重要なこと。皆さん『移住』に一番大切なものは何だと思いますか?
語学力でしょうか?仕事?お金?パートナー?
正解はビザ(滞在できる権利)です。
私は最初は何の知識もなく『ただヨーロッパに住めればよい』と思っていたので、ビザの事は気にしていませんでした。ですが、よく考えればどこの国でも、合法的に滞在許可がもらえるのは3~6か月、バックパッカーが放浪するのとは違い、健康保険、税金、年金、銀行口座の開設、運転免許の更新などなど、とにかく現実的な手続きが盛りだくさん。
きちんとした長期滞在・永住の権利を保持することは移住者の永遠の課題といえるでしょう。
ビザ取得のストレスで疲れ切ってしまう人も多いよ
2.どうやって永住権を得られるのか?
永住権の取得条件は、国によって違ったり、政府の方針でコロコロ変わるのですが、基本的な考え方は、長い間変わっておらず、今後も変わらないでしょう。
なぜなら、ビザ・永住権とは『住む理由』だからです。
日本人がほかの国に住むとき『なぜ移住する必要があるのか』、『移住に十分な準備ができているか(金銭面・仕事など)』を書類できちんと証明する必要があるのです。
同じ地球に住んでいても、日本の国外に理由・許可なしに住むことは、不法滞在、つまり犯罪になってしまいます。
当たり前のことですが、私が『イギリスに住みたい』と思った時に、この事実は結構ショックでした。
人間、日本に生まれたら、まずは日本に住むことが前提なんですね。
永住権や1~5年の滞在ビザをもらえるルートは、ざっくり以下のように分けられます。
- 仕事
- 結婚
- 留学・研究・ワーキングホリデー(YMS)
- 定年後の移住(早期定年を含む)・起業家など
ごくまれに『アーティストとして日本の音楽をヨーロッパに紹介したい』などの文化交流的なプログラムで中期滞在のビザが取れたという例もあります。
ですが、『夢を現実に』するためには、ゆっくりでもいいので、4つのどれかのルートに自分からハマっていくことが重要です。
最終的に私がとったルートは、3→1でした。
次の項目では、おすすめのルートと具体的に何をすればいいのか解説します。
3.おすすめのルートは?なぜ留学?
結論を先に言うと、おすすめは留学です。
なぜなら、他のルートは『自分でコントロールできない』のと『最初のとっかかりがない』からです。
詳しく見てみましょう
1 仕事:会社から海外駐在のポジションをもらうまで、待つ必要があります。
※日本から海外の会社に直接応募する方法もありますが、イギリスの場合、会社が『ビザスポンサー』になる必要があり、その際、会社側が手続きのために結構な金額を負担する必要があります。なので『企業がかなりのお金を出しても欲しい』という人材である必要があります。
2 結婚 :相手が必要です。またイギリスの場合『相手と2年以上別れない』という条件が必要です。現実的には、この2年が守れない人も結構いるのです。
4 定年または起業家:このルートは『イギリスで全く働かなくても、何十年も平気なくらいの貯金か資産がありますよ』『または同等の事業のオーナーですよ』という証明が必要です。かなりの実績がすでにある人向けのルートです。
なので、残されたルートは『留学』となります。
そして、留学には2種類あります。(ビザ取得の観点で)
- 正式な『大学』への留学
- 個人的な『語学学校』への留学
の、2つです。
海外の大学への留学
おすすめは、1の専門性のある大学へ通うことです。MBAや会計、経営その他のビジネス資格を取る人も多いですし、デザイン・アート分野を学ぶ大学もあります。
イギリスでは大学を卒業すれば、その後の就職の際に労働許可が不要となるルートがあります。(2021年執筆現在)。単純に英語力やビジネススキルのアップにも、大きく役立ちます。
さらに、大学のプログラムでインターンシップをする人も多く、その際のコネクションをそのまま将来の就職につなげる人が多いです。
1の大学ルートをとるには、当然ですが『学費』が必要です。
私の感覚では、50%以上の学生が両親からの支援で留学、残りは社会人時代の貯金や副業などで工面したお金を使っているようです。
ですので、まず、大学に行くためのお金を計画的に貯めることが重要です。
お金だけでは移住はできないけど、お金はあって困ることはないね
『これから日本の高校を卒業して、大学を選ぶ』という人なら、海外の大学を最初から視野に入れることも重要でしょう。日本の4年制大学を卒業してから、留学するより費用と時間を抑えることができるかもしれません。
ワーキングホリデー・個人留学
大学に行くことが現実的に難しく、ルートを絶たれてしまう人もいると思います。
そんな人たちは、2の個人留学かYMS(旧ワーキングホリデー)を利用することになります。
ワーキングホリデー(ワーホリ)と個人留学の違いは以下の通りです。
ワーホリビザ | 合法的に働けるので、金銭的な助けになる 仕事も見つけやすい |
個人留学 (観光ビザ) | 合法的に働ける国もある オフィスなど、一部の職場ではビザの制限で働けないこともある |
ここで、重要なポイントなのですが、この2点は似ているようで『合法的に働けるか?』という点が大きく違います。
将来永住を考えると『働けると断然有利』です。
それは、スポンサーになってもらえる可能性のある企業で最大2年間働けるからです。
先に説明した企業のスポンサー制度ですが、実際にはいきなり企業からスポンサーをしてもらえるのではなく、半年から1年は契約社員として働いて、実績を認められれば、その後正式にスポンサーしてもらえるというパターンがかなり多いのです。(私もそう)
なので、ワーキングホリデーの間に、スポンサーとなる企業を見つけることが重要です。
その点、現在、イギリスでは個人語学留学の場合、企業で実際働くことができないので、次のステップに進めないままになってしまいます。
ワーホリビザは、年齢制限があるのと、発行枠数が決まっており、必ずもらえるわけではありませんが、まずはワーホリにチャレンジしましょう。
オーストラリアやニュージーランドなど学生でもアルバイトができる国もあるよ。
同じ英語圏でも、どの国を選ぶかによって将来が大きく変わることもあるよ。
4.それでも個人留学する意味はあるのか?
ワーホリに年齢制限で申し込めない人、はそれでも個人留学する価値があるのでしょうか?
あると思います。
というのも、留学中にそのままパートナーを見つけて、結婚するパターンも定番です。
それに、実際海外に滞在すれば、仕事でもプライベートでもいろいろな経験ができ、コネクションが増えます。
もし、留学後に『やっぱり海外移住はやめよう』と気が付いて、方向性が変わったとしても、その時にできた友人やネットワーク、経験、撮った写真などなど、失うものは何もありません。
私の場合は、20歳の時に1週間、21歳で1か月、27歳で2年間という風に段階的にイギリスにやってきました。
実際に日本にいるだけでは、どうしようもできなかったことを、時間をかけて少しづつ解決していきました。
特にネットに掲載されるビザ関係や海外留学系の情報は、信頼性が低いものもあります。
実際現地に足を運んで、やっとわかったこともありました。
5.まとめ
いかがでしたか?
皆さんのプランの参考になれば幸いです。
最後に、海外暮らしを一度は夢見る、という人も多いと思いますが、実際、いいこともありますが、デメリットもたくさんあると思います。
それでも『自分の人生、自由に生きたい』と思う人は、いちどチャレンジしてみる価値はあると思いますよ。