最近、なにかとお騒がせになりがちなNHKのテレビ受信料問題。
パソコンやスマートフォン、Netflixなどの配信が当たり前になった現代では、テレビを全く使わないライフスタイルを持つ人が増えるのは自然なことですよね。
私が住むイギリスでは国営の放送局BBCがあり、これが日本のNHKに当たります。イギリスでも受信料の登録と支払いは『国民の義務』とされ、最速の手紙も届くので、私も、10年以上支払いを続けてきました。
しかし、2年ほど前に友人から『受信料登録をキャンセルする方法がある』と教えられ、早速申し込みました。
この記事ではイギリスの受信料システムがどうなっているのかを解説します。
日本以外の国のテレビ受信料システムがどうなっているのか
知りたい人の参考になればうれしいです
イギリス国営放送・BBCとは?
BBCはBritish Broadcasting Corporation(ブリティッシュ ブロードキャスティング コーポレーション)の略です。その名の通りイギリスの国営の放送局です。
テレビだけでも4チャンネルあり、ラジオや出版、イベントなどもやっています。
特にBBCの作成する自然をテーマにしたドキュメンタリーは素晴らしいクオリティの映像で、世界中の放送局に放映権が販売されています。
その点でBBCは比較的お金に余裕のある放送局なのかもしれないね。
民放放送局は ITVとチャンネル4の2社があります。ほかにもケーブルテレビのチャンネルが大量にあります。
BBC4チャンネルだけでも、かなりの番組数があります。
受信料の値段は?申し込み方法は?
支払いは年間145ポンド(約22,000円)です。日本のようにBS、CSなどの区別はありません。
日本より金額が高いけど、4チャンネルあるし、イギリス人はBBCの番組を強く信頼しているから、文句を言う人は少ないよ
テレビの台数に関係なく、一家に1つ、ライセンスを取得する必要があります。申し込みをすれば、あとは自動引き落としです。
受信料免除の条件は?
BBCのテレビライセンス管理ウェブサイトによると
『テレビ番組を受信・視聴していれば契約料を払うのは義務です』
と書かれています。
テレビ番組は『タダじゃないよ』ってことだね。イギリスには世界中から移民が集まっていて、
受信料が存在しない国の人もいるから、明確にしているんだね。
ですが、同じウェブサイトに
『もしテレビ受信ライセンスが不要なら、不要の申し込みをしてください』とあります。
キャンセルの条件は
- テレビ番組を受信、視聴していない
- BBC iplayerというBBCのストリーミングサービスで番組を視聴していない
それだけです。
私の場合、外出していることがほとんどで、朝のニュースチェックなどはネットの信頼できるニュースソースで見ていたので、6か月以上、テレビのスイッチを付けていないことに気が付きました。
そこで、この受信料免除の申請をすることにしました。
受信料免除の申請方法は?
以下のウェブサイトにアクセスして、必要事項を記載するだけです。
個人情報を入れた後に、
『私はテレビを観ませんので、ライセンスが必要ありません』
と『宣言』を書く欄があるので、その記入をすれば、おしまい。
ウェブでの申し込み後、数日でこのような手紙が届きます。
その後2年間は法的に受信料の支払い義務がないという証明になります。
2年後には以下のような手紙が届きますが、もう一度同じ手続きをすればOK。
永久に支払いの必要はありません。
ちなみに、日本では『免除』いう表現ですが、イギリスでは単純に『キャンセル』といわれます。
調査員が家を訪ねてくることもないよ。
いまどきテレビがあっても、Netflixやストリーミング番組しか見ていない人も多いから
自宅調査で、国営放送を見ているか証明するのは難しいよね
なぜ誰でも受信料を免除できるの?
イギリス人はBBCのコンテンツに絶対的な信頼を置いています。
ディナーの後にBBCのドキュメンタリーを見るのは、老若男女を問わない、イギリス人の時間の過ごし方といえるでしょう。
なので、どうしても支払いをしたくない、という人がそもそも少ないです。
BBCが良い番組を作り続けられるように、寄付的に協力したいという感覚の人がほとんどです。
もう一つの理由は、欧米では『テレビ視聴』に悪いイメージが強いからです。特に子供には積極的にテレビ離れをさせようという風潮があります。
そのため親が『テレビというものを持たない』というライフスタイルを選んだのであれば、強制的に受信料を徴収しないのが、公平であると考えられているようです。
受信料は税金ではないから、キャンセルする権利は国民の権利と考えられているんだね
75歳以上は受信料を支払わなくていい
さらに現在では75歳以上の方はBBCのライセンス料金を支払わなくていいというシステムもあります。パソコンやネットなどでニュースを取り入れることが少ないお年寄りがテレビをキープしやすくし、基本的なニュースが得られるようにという配慮がされています。
まとめ
いかがでしたか?
日本とはだいぶ違う考え方で驚かれたかと思います。
この先に日本の受信料問題を心配している方の参考になればうれしいです。